フリーランスとしてHRP（ヒューマンリソースパートナー）日中異文化経営コンサルタントして活動している金です。
プロフィール
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■成功体験を押し付けてはいけない
これまで数度となく様々なセミナーや勉強会を主催して来ました。
参加者の皆様にとって学びやヒントがひとつでもあればとても嬉しく思うのと同時に私にとっても現場で実際に起きている様々な問題や不安、困惑を知ることが出来る貴重な機会でもあります。
セミナーや勉強会の中では中国におけるマネジメントのポイントもお話しします。その中のひとつとして違う土俵で仕事をしている事を認識する。国情を理解し、日本でのやりかたを押し付けてはいけないとエピソードを交えながら話します。
皆様は中国人社員から「あなたは国情を理解していない」と言われた事はないでしょうか？赴任して間もない中「国情を知らない」と言われると日本人駐在員は困ってしまいます。
正直いきなり国情と言われても「中国に来たばっかりなのにそんなのわからない」という方も多いと思います。国情が違ってもマネジメントやリーダーシップの本質は変わらず仕事の進め方や考え方を含めた原理原則を伝える事が重要なのですが赴任間際では日々忙しく余裕もありません。
現地従業員と仕事の進め方で衝突した場合駐在員は日本での経験や体験が主体となるのでどうしても「日本では・・・」と言いたくなります。「日本では」という背景は成功体験がもとになっているからです。
成功体験は失敗や挫折を乗り越え克服して来た自信であり根底にある考え方です。成功体験自体は素晴らしいものですが現地従業員にしてみればここは中国だ「押し付けがましい」「命令だけして指示してくれない」と抵抗を示す事も多々あります。日本でのやりかたを押し付けるのではなくゼロベースで考える必要があります。
■Aさんとの会話
セミナーや勉強会の後に参加者とその場で話したり、終了後懇親会をする事もあります。話題は上海の住環境や交通事情。社員とのコミュニケーションやマネジメントの難しさなど多岐に渡ります。
参加者の一人であるAさん（赴任１年）が「今日の勉強会の中で日本では言うと現地社員は抵抗や拒否をするという話しがありましが私はあえて日本ではと言うんですよ」と話されました。私はAさんの発言にとても興味がありその真意を探りたいとその理由を聞いてみる事にしました。
Aさんは「今日はとても勉強になりました。日本ではという話しは私自身もついつい言ってしまうのですがそのあと日本ではこんなやりかたや考え方をするけどあなたはどう考えているの？と必ず聞く事にしているんです」と答えられました。
私はAさんの話しを聞きながらうなずいていました。
日本での成功体験は海外におけるビジネスの始点になりますがその考えや経験を「日本ではこうなのだからこうしていればいい」と押し付けてしまうと従業員は「ここは中国なのに」と反発します。大事なのはそれから。その後に問いかけがあればそれは相手を尊重し考えを聞いてくれると言うコミュニケーションがスタートします。
重要なのは押し付ける事ではなく中国や従業員を含めた相手を理解したい、理解しようとする心がけではないでしょうか？
皆様は現地従業員に問いかけているでしょうか？
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