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    第3弾! 中国半導体の動向について 〜米中貿易戦争編〜

    前回この第2弾の記事を書いたのが今年の1月末でしたが、それから約半年経過した今日この頃、いよいよ激しさを増してきました。

    <過去のメルマガ>
    第1弾
    https://a.k3r.jp/a_sol/37137B20687D62
    第2弾
    https://a.k3r.jp/a_sol/37137B20687D67

    前回の記事では『米中ハイテク摩擦』なんて表現をしていましたが、そんなもんでは済まないほど大きくなってきたと感じます。

    最近はもう"摩擦"ではなく、これは現代版の"戦争"なのではないかという気すらしてきます…

    表現は様々ですが『米中貿易戦争』なんて表現する記事も多々あるので、今回はこの表現を使わせて頂きます。

    さて、この米中の逆FTA(Free Trade Agreement)とも言える関税の掛け合い、まさに左手で握手しながら右手で殴り合っている状況とも言えます…笑

    元を辿れば

    「ハイテク技術の覇権を中国に取られてなるものか!」

    というアメリカから端を発しているとも言えますが、今では様々な物にまで波及しています。

    テクノロジー以外の農産物まで対象になっているのですから、本格的に潰しにかかっていることが伺えます。

    この米中貿易戦争全体に対して書くと超大作になってしまうので、多少知見のある半導体分野をこのメルマガでは取り扱いたいと思います。

    この米中貿易戦争ではかなりHuaweiの5Gが目立ってはいますが、実は半導体もハイテクの部類に入るため色々な意味であおりを食らっているようです。

    まず前提情報として、過去メルマガでも書きましたが、現在中国製造2025という国策にのっとり国からの巨額の支援を受けている代表企業は以下3社だそうです。

    1.YMTC長江ストレージ(湖北省武漢市):NANDフラッシュメモリ

    2.CXMTチャンシン・メモリー・テクノロジー(旧Innotron)
    (安徽省合肥市):モバイルDRAM

    3.JHICC普華集積回路(福建省泉省市):特殊用途DRAM
    ※2のInnotronという名前は台湾のInoteraを連想させるという理由でCXMTという社名に変更したそうな…

    そして昨年2018年にはアメリカがJHICCに対して米国からの半導体製造装置及び部品輸出を禁止したため、アメリカの製造装置メーカーのAMAT、Lam、KLAなどの成長率は日本メーカーに比べてと留まった数値だったようです。

    さらに6/11にロイター通信が報じた記事によると、半導体製造装置メーカー世界3位の東京エレクトロン(古巣です)は米国政府のブラックリストに入れられた中国企業との取引を停止する方針を示したそうです。

    TEL(東京エレクトロン)幹部の話だと、アメリカのAMATとLamが取引を停止したから足並みを揃えるための措置、という話らしいです。

    「マジか…そこまでアメリカの後を追わなくても…」

    と個人的には思うところは多々ありますが、ハイテク技術だけに国家レベルでの思惑が介在する業界ではあるため、きっと高度な"何か"があるのでしょう。

    ちなみにどの企業かは不明らしいですが、噂によるとJHICCである可能性が高いようです。

    尚ロイター通信によると日本の半導体製造装置メーカーがもう一社取引停止を検討しているようなので、このままずりずりと日本メーカーが中国から引き下がっていく可能性もあります。

    ただ一方の中国はというと、Huawei排除が進む中、半導体業界で人手不足が続いているようです。

    まぁ分かり切っていることではありましたが…

    その数実に30万人規模

    中国報道によると2020年までに半導体業界には72万人の需要が見込めるが、17年末の段階で40万人前後とのこと。

    今は19年なのでいくぶん伸びている気はしますが、それでも恐らく圧倒的に足りないことが予想されます。

    背景にはIT業界などと比べて平均給料が低いことなどがあるようです(募集時の平均月収額:10,420元)。

    ただ個人的にはIT業界とはまた違った難しさがあるので、給料上げてもそれが人手不足解消に繋がるかどうかは疑問が残るところですが…

    Huaweiは年間700億ドルの内、110億ドルがアメリカ依存、その大半が半導体のようですが、この供給が今は禁止されています。

    Huaweiとしては他のバックアップ対策があるとのことですが、イギリスの大手半導体設計のARMもHuaweiとの取引を停止したため、Huaweiスマホに搭載されているモバイルCPUのKirinが製造できなくなる可能性もあるとか…

    ARMはイギリスの会社ですが、アメリカでハイエンドの研究開発を行っているため、その知的財産権は禁輸措置の対象になるようです。

    ARMはIPデザインという半導体設計の元になる設計を行っており、AppleやSamsungもこのARMのチップアーキテクチャに基づいて製造しているとのこと。

    しかもなんとこのARMをあの孫正義率いるソフトバンクが3.3兆円で買収しているそうです!(これは知りませんでした…ちょっと驚き)

    さて、では半導体市場的や中国国内ではどのようになっているのか少し見ていきたいと思います。

    半導体市場的には前年比12%減の4120億ドル、どうやらリーマンショック以上の急減だそうです…

    貿易戦争による電子機器関連の需要が落ち込む見通しのため、とのことですがこの落ち込み方はすごいですね。

    詳細としてはまずスマホの需要頭打ちや、アメリカデータセンター事業者の在庫調整などの動きが影響しているようですが、目立つのが市場の3割を占めるメモリー系半導体。

    メモリー系は価格低迷が続いており、DRAMもNANDも3割程下落しているとのこと。

    とはいえ、半導体はこれからの5Gや車の電気化による電子化など、需要が増えることは間違いないため中長期的には拡大傾向であることは明白だと思われます。

    では最後に少し中国に焦点を当てたいと思います。

    中国のYMTCは64層3D NANDを2019年内には量産、2020年には次のSTEPの96層を飛び越えて128層の生産を計画しているとのこと。

    またYMTCが米国のFlash Memory Summitで発表した『Xtacking』という製造方法は表彰もされたそうです。

    どうやらこの方法は製造開発時間や製造サイクルタイムの削減に大きく効果のある方法のようで、韓国の2大メモリーメーカーも驚愕と危機感を持って報道したそうです。

    ですがもちろんこの方法ではWaferを2枚使用することや、新しい生産方法のため立ち上がるまで時間がかかることなどが予想されているため、量産が難しいとの見方もありますが…

    ただ海外からは特にNANDのレベルが着実に上がってきていることは徐々に評価されてきているようです。

    しかし半導体を量産する、という面で最大の課題は極めて特殊な装置やノウハウを必要とする半導体工程にあると言われています。

    それは私も感じるところがありますが…

    半導体工程の中でも特に高い技術が必要な部分は前工程と言われている部分に集中しています。

    この前工程の装置を作れる製造装置メーカーはAMATやAMSL、TELと言った企業がほとんどを占めているのですが、半導体の製造工程はほとんど装置に依存しています。

    よってこれらの企業から装置を使用せずに半導体を製造することは極めて困難、というか無理なのでは、と思います。

    主要な半導体製造装置メーカーはアメリカと日本に集中しているので、禁輸措置はもろにダメージがきます。

    さらに半導体製造装置の場合、製造する際の操作も重要になってきます。

    つまり『装置』と『人材』の2柱がないと製造が困難なのです。

    アメリカのCSISの調査によると、中国が自国で使用する半導体の内、国産は16%、中国企業が製造している半導体は8%程度とのことなので、自国生産での道のりはまだまだ遠いようです。

    中国は自国で半導体を生産したいのでファブレスになりたいわけではなく、ファウンドリーになりたいのです。

    まぁ将来的にはもちろん設計まで自国で行うとは思いますが…

    革新的な製造方法は生み出せても、結局製造が確立しないとどうにもなりません。

    ちなみに上海証券取引所が間もなく開設する、ハイテク新興企業向けの市場『科創板』が今盛り上がっているそうです。

    この科創板への上場を申請した企業は半導体やAI、バイオ系など120社に達しており、ハイテク技術の国産化を進めるために2018年11月に習近平が突如構想を発表したとのこと。

    もしこの科創板が国際的な競争力を持つハイテク技術を次々生み出すことができれば、もう中国は止められないかもしれませんね。

    今回は渦中の半導体分野を取り上げて少し記事を書いてみましたが、如何でしたでしょうか?

    是非これを読んで頂いた方でコメントがある方は返信頂けると嬉しいです!

    本日を最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

    あっそうそう、思わず本題を忘れるところでした…

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